どんどこすすむの日記

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2018年に読んだ本

2019年も終わりに近づいているが、下書きにずっと残っていた書きかけの記事があったので2019年中に成仏させたいと思う。


2018年に読んだ本を振り返る。昨年は会社内で文学部が発足し、メンバーが推挙した著書を読み、その感想を皆で言い合うという活動をした。そのため、普段自分では絶対に手に取らない種類の本をわりかし多く読んだ。あとKindleで買える本は、全部Kindleで買って読むようになった。読後からすでに何ヶ月も経ってあまり記憶に残ってないものもあるが、そんなに数も多くないので1冊ずつ簡単に感想を書いて振り返ってみる。

寄生獣

正確には2017年の年末に読んだが、ここにあげておく。不朽の名作ですね。

星を継ぐもの

SFの名作を漫画化したやつ。父親が読んでいたものを帰省した時にもらって読んだ。あまり好きではないアメコミっぽい絵柄だったが、読んでみると、これが案外におもしろかった。原作は読んだことはないが、原作の面白さをそのまま漫画で表現できているのだろう。漫画の中では2018年ベスト。

君たちはどう生きるか

話題になっていたので読んだ。表紙とタイトルが印象的だ。素朴な絵柄にも好感が持てる。読みやすく、内容は友情や人生の話だったと思う。

多動力

会社の人に借りて読んだ。ホリエモンは会議中でもガンガンスマホをいじるらしい。真に受けてうかつに真似はできないと思ったが、自分と異なる考え方や行動規範だったので、そういう意味で新鮮に感じたところも多かった。

ビットコインと仮想通貨

仮想通貨の漫画。仮想通貨の歴史やアーキテクトの概要がざっとわかったので良かった。

少し変わった子あります

会社の文学部での課題図書。短い小説だったが森博嗣の色がところどころに出ていて、良かった。

集中力はいらない

森博嗣のエッセイ。多くの人が言うほど「集中力」ってそんなに大切か?という疑問から発した森博嗣の仕事論みたいな本。だったと思う。これも森博嗣節が効いていた。

イギリスの小学校教科書で英語を楽しく学ぶ

近所の図書館で借りた英語の本。タイトル通りイギリスの小学校の国語の本。初歩中の初歩である英語のルールが載っている。人の名前は大文字から始まるとか。なんとなく感覚でわかっていたけど、改めて言われると、なるほどなるほどと納得するものがあった。世の中には英語の参考書は星の数ほどあるのに、学校の教科書って大人になるとなぜ手に入らないのだろうか。

沖縄ノート

文学部の課題図書。初めて大江健三郎の著書を読んだが、独特の行ったり来たりするしつこい文体が、とにかく難解で読みづらく、外国語の翻訳文を読んでいるような感覚に陥った。著書を読み進めていくにあたって、沖縄の歴史、人物、1970年当時起こったことについての知識、また理解できない用語はネットで検索しながら読み進めた。インターネットがなければこれらの調査だけでも、膨大な時間がかかっただろうと思う、ネットのありがたさを感じた。根気のいる読書体験であったが、沖縄の近代史、差別の歴史の勉強になった。調べたものはscrapboxに記録した。

scrapbox.io

エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング

マネジメントしている人、もしくはリーダーの立場である人のための本と言えるのかもしれないが、ソフトウェアエンジニアという仕事をしている上で、必ず向き合わなければいけない「不確実性(よくわからないもの)」に対して、どのようにアプローチしていくのかを説いている。エンジニアという職業に属している人間で「不確実性」に出会わない人はいない。良いプログラマ・エンジニアとは何か。その問いに対する答えを用意してくれている本である。またプログラミングなどの専門知識も出てこないので、技術職でなくても読める。

scrapbox.io

アジャイルレトロスペクティブ

スクラムのレトロスペクティブ(振り返り)に焦点をあてた本。様々なアクティビティ(振り返り手法)の具体的なやり方が紹介されていて、実際の業務でも実施したものも多数あった。ストーリー仕立てに振り返りをどのように行っているかを紹介している章が非常に参考になった。今でもレトロスペクティブを行う前に見返したりしている。

なぜあなたの仕事は終わらないのか

マイクロソフトのエンジニアであった著者の仕事術の紹介。寝る前に翌日するTODOを書き出し、早朝に起きた直後から100%全開で仕事を再開するという。自宅作業の時は自分にも実践できそうだと思った。ビルゲイツに技術プレゼンしたエピソードなどがおもしろかった。

1984

文学部での課題図書。2018年に読んだ小説部門ではベスト1をあげたい。言わずと知れて普及のSF小説。SF的な科学的な描写が若干時代遅れになっている部分もあるが、物語としては十分に読み応えのある本だった。

砂の女

文学部での課題図書。安部公房の代表作。高校生ぐらいに一度読んだことがあって、再読となった。若い頃に読んだ時も感じた、砂が体にまとわりつく不快な感触を思い出した。文学部の他の人の感想を聞いておもしろかったのが、読む人によって "砂の穴" が示すイメージが、ある人は "会社" であったり、ある人は "結婚" であったりと違っていたことだ。読む人のなかで抱えるそれぞれの "砂の穴" があり、色んな角度から深く味わえるようになっていて、それこそが名作と言われる所以なのかもと思った。

速習Vue.js

人気のフロントエンドのJSフレームワーク。業務で使うので手っ取り早く習得したいと手にとったが、数ヶ月後、プロダクションのコードがVue.jsからReact+TypeScriptにリプレースされることになったので、残念ながら実にならなかった。

坑夫

文学部での課題図書。夏目漱石の佳作。自分が推薦させてもらった小説であるが、この著書に興味を持ったきっかけは村上春樹海辺のカフカの劇中に夏目漱石の「坑夫」について主人公と誰かが語りあうシーンがあったので、そこから気になってAmazonで購入したのだが、ずっと自宅の本棚に眠っていた。読書の感想は正直言って、物語があまりにもなにも起きずに淡々と流れていくので、読み進むのが中々はかどらなかった。後半、主人公が炭坑の町に住むようになってから少し面白くなってきて、炭坑の穴の中に入ってからの話は興味深く、村上春樹の小説にもよく出てくる洞窟(暗闇)のモチーフに通ずるものがあると感じた。