どんどこすすむの日記

どんどこすすむオフィシャルブログ

スクラム勉強会

以前から、アジャイル開発やチーム開発手法については関心があって、度々このブログでもスクラム本を読んだ感想なども書いてきた。 そこでスクラムについて、会社のエンジニアチームのメンバーにも知ってもらおうと、スクラムについて説明する機会を設けてもらったのだが、いかんせん準備が足りず、説明しきれなかった部分も多分にあったので、補足的な意味も込めてスクラムの重要なキーワードについての覚書きと、私の見解を述べていきたい。

1.ロールと役職の違い

スクラムの3つのロール(プロダクトオーナー、スクラムマスター、開発チーム)と会社内で定められた役職は異なる。たとえ会社の中で、上司と部下、チームのリーダーとメンバーという関係が存在していたとしても、スクラムチームの中では対等な立場で開発を進める。良いプロダクトを作るためには、各ロールが率直な意見を述べ合い、良い方法を探求できる関係が望ましい。

とは、いってもやっぱり上下関係はあるだろ

年齢によるもの、肩書きによるもの、これらの壁を取っ払って率直な意見を述べ会えるようにするにはどうすれば良いか。と考えた時、和やかな場の雰囲気作ることも重要であるのではないかと思う。私もどんなにダダスベりしても下を向かず、勇気を持っておもしろいことを言い続けたいと思う。 あと、人間は単純な生き物なので、打ち合わせの場に、すぐにつまめるお菓子(コアラのマーチアルフォートたけのこの里)などを用意するのも、簡単にできるアイスブレークではないかと思う。

2.自己組織化するチーム

スクラムチームには「自己組織化」されていることが求められている。自己組織化(Self-organiztion)とは「作業を成し遂げるための最善の策を、チーム外からの指示ではなく、自分たちで選択する」と定義されている。補足すると、スクラムチームのメンバー全員がチームの理想とする姿を考え、その理想に向かって能動的に学習と成長をし続けている状態でいること。スクラムチームは、自分たちの置かれた状況が計画時点では想定しきれなかった状況になっても、自分たちで対策を考え、スクラムチーム内外の協力を得ながら対応する。これは、あらかじめ定義された作業を受動的に進めるような、一元的な指示命令系統によって統制されたチームとは大きく異なる。

自己組織化すると何が嬉しいの

自分目線だが、これはもう「モチベーションの向上」という答えになるかと。上から指示された作業がどう考えても不毛だと思われる作業であった時、人を機械のようにみて机上の計算で使用する数値として扱われた時、私たちの魂は蝕まれていきます。死んだ魚のような目をした人間から良いプロダクトが生まれることはないでしょう。当然、自己組織化されたチームは、責任を担うことになります(トップダウンな指示系統であっても責任を丸投げされることもがあるが)それでも、自分の脳みそを使って活動する方が、よっぽど健全だと思う。

3.デイリースクラム

スクラムのメソッドの1つである「デイリースクラム」1日に15分間の時間を設け、メンバー1人につき1〜3分を使って「昨日したこと」「今日すること」「困っていること」を述べていくもの。朝会などとも言われ、始業の時間帯にすることが多いらしいが、要は日報ミーティングである。デイリースクラムについては、今の会社に入って実際に2ヶ月間ほど体験したが、こんな簡単なルールなのに、かなりの効果があると感じられた。

隣の席の人間が何やってるかわからない問題

主な効果としては、各人に起きている問題(開発上だけでなく、体調面も含め)をいち早く検知できること、各人の進捗度合いをメンバー全員で共有できること、そして、メンバーの中に何をやっているかわからない人間を無くすこと。大小関わらず組織において「何をやっているかわからない人間」がいることによる負の連鎖は計り知れないものがあると思う。経験上「何をやっているかわからない人間」がいる場合、周りの人間は、当人が組織にとって有益なことをしているとは絶対に思わないので、そういう状態から信頼関係を高めるのは相当難しいと思われる。そして、その人に対する「関心」も徐々に薄まっていくと、その人が抱えている問題が知らないままに肥大化していったり、当人は当人でチームに参加している意義を感じられなくなったりと、チームのリスクは高まるばかり。自分が何をしているかを常に発信していく習慣がとても大切なのである。

参考

自律的なチームを作るためにリーダーがする(といいかもしれない)こと - Qiita
なぜアジャイル開発はうまくいかないのか 〜 Don't just do agile. Be agile. | Social Change!
[翻訳] スクラムがアジア圏でうまくいかない4つの理由 - Scrum does not work here in Asia - Qiita